自家製本の作り方
以下A5サイズ縦書き(右開き)本の自家製本の簡単な作り方を説明します。
横書き(左開き)本に応用したい場合、「奇数ページ」と「偶数ページ」、「表紙1」と「表紙4」をそれぞれ入れ替えて考えてください。
これは私(斑猫賢二)が勝手に編み出した方法であり、これ以上に「簡単」「低コスト」「綺麗」な製本の仕方がないことを保証するものではありませんので悪しからず。
1、原稿印刷
1-1、原稿作成
まず、原稿を用意します。
B4判の漫画原稿用紙にA5サイズの原稿を貼り付けます。
原稿用紙一枚あたり原稿は二ページ。
縦書きの場合、図1のように、右側が奇数ページ、左側が偶数ページ、原稿用紙の外側が糊代になるように作成します。
このとき、裁断するサイズに合わせ、図のように「トンボ」と呼ばれるしるしをつけておくと、裁断がしやすくなります。
これを作成する本のページ全てにおいて行います。漫画原稿用紙は本の全ページ数÷2枚必要になりますね。
図1、本文原稿の作り方
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1-2、表紙原稿作成
次に、表紙原稿を作成します。
表紙は本の上から被せますので、原稿は図2のように作成します。左側が表紙、右側が裏表紙、背表紙は真中です。
図2、表紙用原稿の作り方
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1-3、本文印刷
本来ならこれ以降のプロセスは印刷屋さんまかせになるのですが、今回は全部自前で作りますので印刷も自分で行います。
1で用意した原稿をB4サイズの紙に両面印刷します。表と裏、同じものを印刷します。一枚あたり二部になりますので、印刷枚数は(作成部数÷2)。全ての原稿をこの枚数印刷しましょう。印刷したら図3のようになります。
コピーだとお金がかかるので、何とかして印刷機を調達したほうが良いです。
図3、本文印刷
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1-4、表紙印刷
表紙部分に限っては、印刷機よりコピーを用いたほうが良いです。そのほうが遥かに見栄えが良いからです。色画用紙等、見栄えの良いB4サイズの紙を調達してきて、部数分コピーして作成しましょう。
印刷したら、図4のようになります。
図4、表紙印刷
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2、製本
2-1、用紙切断
印刷した用紙を、図5、図6のように半分に切り、種類ごとに一つにまとめておきます。
図5、本文を切断して
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図6、一つにまとめる
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2-2、ページ揃え
上図6のように用紙を種類ごとにまとめたものを全ページ、ページ順に並べて置きます。
そして、それぞれの山から、若いページが上になるように、一部ずつ重ねていきます。
2-3、仮留め
纏めたものを、同サイズの不要な紙二枚(遊び紙)で挟みます。
挟んだら、糊代側をそろえ、遊び紙ごとステープラー(ホチキス)で留めます。留めるのは糊代の反対側です。
揃えるのは糊代側、留めるのはその反対ですので注意してください。
横から見ると図7のようになります。
図7、仮留め(横から見た図)
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2-4、糊付け
仮留めして、一応本っぽくなった用紙の束を、図8のように、ぐいっと丸めます。
丸めたら、糊代に糊(木工用ボンド等)を塗り、延ばします。
なぜ丸めるかと言うと、こうすることにより糊代の面積が適度に広くなり、糊の強度が増すからです。
ちなみにこの際上下までしっかりボンドを延ばす必要はありません。上下部分はどうせ切り落とされるからです。糊がはみ出て汚なくならないよう適当に調整するのがオトナのやり方です。
糊を塗ったあとは丸めたままにしておいてはいけません。すぐ元に戻します。
糊付けしたものは束ねて積み、上から重しをしておきます。そのまま糊が乾くのを待ちましょう。
この時、積んでおいた束が糊で全部くっついてしまうかもしれませんが、特に気にする必要はありません。
図8、本文の束を丸めて
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図9、糊(ボンド)を塗る
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2-5、本文完成
ボンドが乾いたら、束ねた束を一部ずつ切り離していきます。この際、遊び紙も一緒にはがしてください。
これで、本文部分はひとまず完成です(裁断は最後に行います)。
2-6、表紙折り目付け
1-4で印刷しておいた表紙の用紙を、図10の部分で折ります。綺麗に折り目がつくように折ってください。
折ったら、図11のように、本文の糊代側に揃えた上で、本文の厚みの位置で図12のように折り目を付けます。
こちらも綺麗に折り目がつくように折ってください。図13のようになります。
図10、表紙の折り位置
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図11、折り位置で折り曲げる
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図12、背表紙の幅を揃える
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図13、折り曲げ完成
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2-6、表紙糊付け
図14のように、折り目を付けた表紙の背表紙部分に糊を薄めに塗ります。背表紙からややはみ出す程度に塗ると、圧着の際に適度に広がって綺麗に仕上がります(このあたりは色々試行錯誤してみてください)。
その後、図15のように本文と表紙を糊付けします。(図14,15では判りやすいように糊を多めに塗ってますが、これはちょっと塗りすぎです)
糊付けしたら、束ねて積み、上から重しをしておき、さらに乾くのを待ちます。
図14、背表紙に糊を塗る
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図15、本文と接着させる
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2-6、裁断
糊が乾いたら、図16のようにトンボに沿って束を裁断したら完成です。
図16、トンボに沿って切断
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